乾燥肌の応急処置に皮膚用軟膏を使うのはOK


若い世代から年輩の方まで、幅広い世代に知られている皮膚用軟膏。自宅で薬箱を開けると、必ず皮膚用軟膏が入っていた…という人も多いのではないでしょうか。

実はこの皮膚用軟膏、「乾燥肌の改善に効果がある」と言われています。たしかに皮膚用軟膏はニキビや吹き出ものなどの肌トラブルはもちろんのこと、手足のひびやあかぎれにも効果があります。

皮膚用軟膏にはオリブ油やステアリルアルコールなど、皮膚を保護する成分が含まれています。これらが皮膚の表面をコーティングすることで水分の蒸発を防ぎ、ひびやあかぎれの症状を食い止めているとされています。

しかし結論から言うと皮膚用軟膏だけで乾燥肌を改善することはできません。乾燥肌を改善するには、肌を構築する角質層の水分の蒸発を防いだ上で、肌を潤す保湿成分を取ることが必要です。

肌を潤すために必要な保湿成分は「セラミド」です。皮膚用軟膏にはグリセリンやワセリンなどの保湿成分は含まれていますが、セラミドは含まれていません。

このため皮膚用軟膏のみで根本的に乾燥肌を改善することは難しいと言えます。

しかし肌の乾燥の応急処置として表面に保護膜を作り、その間に肌の修復を促す目的には皮膚用軟膏は有効なのです。

肌トラブルにおける皮膚用軟膏の使用法

皮膚用軟膏は、1953年に「皮膚用軟膏軟膏」として大塚製薬から発売され、現在に至るまで多くの人が愛用しています。チューブ入りと瓶入りの2種類があり、サイズもいくつか展開されています。

皮膚用軟膏の主な有効成分は、「クロルヘキシジングルコン酸塩液」です。殺菌・抗菌作用があると言われており、ニキビのもととなる雑菌を殺菌する、炎症による赤みを抑えるなどの効果が見込めます。

他には、手足のひび・あかぎれ・しもやけ・きりきず・すりきず・水虫などに有効です。軽いヤケドにも使うことができますが、皮膚用軟膏を塗布した後にガーゼを当てることが必要となります。

ただしオリブ油やワセリンなどの油脂、界面活性剤も配合されています。万が一、これらの成分が肌に合わない場合は肌トラブルを招く恐れがあります。

「おかしいな」と思ったら、すぐに使用を中止しましょう。

おもな肌トラブルとその原因


肌トラブルにおいて、どのように皮膚用軟膏を使えばよいのでしょうか。まずおもな肌トラブルと原因についてまとめました。

1.ニキビ・吹き出もの
皮脂が過剰に分泌し、古い角質やメイク汚れと混ざると角栓となります。角栓が毛穴に詰まって開いた状態を「開き毛穴」といいます。

開いた状態の毛穴にアクネ菌をはじめとする細菌や雑菌が入り込むと、炎症を起こしたり、化膿したりします。これが、ニキビや吹き出ものです。

皮脂が過剰に分泌される原因は、ホルモンバランスの乱れ、油分が多い食生活、肌の乾燥などです。生活習慣や食生活を見直す、保湿をしっかりするなどの対策が有効です。

2.しみ・そばかす
しみやそばかすを生み出す元になるのは、「メラニン」です。メラニンは、肌の基底層にある色素細胞が紫外線をはじめとする外部からの刺激を受け、活性化することで生成されます。

メラニン自体は紫外線から肌を保護してくれますが、紫外線を浴び過ぎるとメラニンは過剰に生成されてしまいます。メラニンが過剰に生成された結果、しみやそばかすができてしまうのです。

3.カサつき・乾燥
乾燥肌は、肌の水分が不足して肌がゴワつく、粉を吹いているなどの状態です。肌が乾燥する主な原因は、睡眠不足・洗顔のし過ぎ・生活習慣の乱れなどがあります。

肌の保水能力が低下すると、肌は皮膚を守るために皮脂を過剰に分泌するようになります。ニキビや吹き出ものの原因となるように、余分な皮脂は角栓のもととなり、肌トラブルを招く原因につながります。

皮膚用軟膏活用法(1) ニキビの炎症を抑える

ここからは、肌トラブルにおける具体的な皮膚用軟膏の使用法をご紹介します。

まず肌トラブルにおいてもっとも皮膚用軟膏の使用機会が多いと考えられるのは「ニキビ」でしょう。皮膚用軟膏に含まれる有効成分がニキビによる炎症を抑えてくれるためです。

使い方は、清潔な綿棒でニキビに皮膚用軟膏を直接塗布するだけです。皮膚用軟膏の有効成分がニキビのもととなるアクネ菌を殺菌し、症状を沈静化してくれます。

皮膚用軟膏以外に、「はちみつ」もニキビの応急処置に有効です。はちみつには、殺菌効果や抗炎症作用を期待できる成分が含まれているとされています。

炎症が起きてニキビになりかけている部分に、皮膚用軟膏と同じく清潔な綿棒ではちみつを塗り、少し置いてから洗い流します。

ただし患部の状態によってはかぶれる、かゆみが出るなどの症状が表れる可能性があります。異変を感じたら、直ちに使用をやめて専門機関を受診しましょう。

皮膚用軟膏やはちみつでニキビの炎症を抑える方法を紹介しましたが、もっとも確実な治療法は、皮膚科や美容皮膚科などの医療機関を受診することです。

肌やニキビの状態を見たうえで適切な治療を受けられたり、薬が処方されたりするため、セルフケアよりも安心だと言えるでしょう。

皮膚用軟膏やはちみつでニキビの炎症を抑えるのは、あくまで応急処置です。ニキビを完治させたい時は、医療機関を受診して専門医の指示に従って治療を進めましょう。

皮膚用軟膏使用法(2) 肌の乾燥によるヒリヒリ感に

乾燥肌になった時、ヒリヒリと痛みを感じたことはありませんか?これは、肌が乾燥したことにより、肌のバリア機能が低下しているためと考えられます。

肌のバリア機能が低下すると、紫外線やホコリなど外部からの刺激に敏感になり、ヒリヒリと感じるようになります。また肌へのダメージも強くなります。

さらに肌が乾燥しているから保湿しようと化粧水をつけた際、顔がピリピリするときは肌が炎症を起こしている可能性が高いです。この状態でスキンケアを続けてしまうと、乾燥肌が改善するどころか悪化してしまいます。

乾燥により肌がヒリヒリする時は、保湿よりも、まず炎症を抑えることを優先しましょう。炎症を抑えるためには、皮膚用軟膏が有効です。

皮膚用軟膏には保湿成分も含まれているため、炎症を抑えると同時に肌の乾燥を予防する効果も期待できるのです。

使い方は簡単です。炎症部分に皮膚用軟膏を適量、薄く伸ばすだけで問題ありません。

ただし速く治したいからといって、過剰に塗布するのは避けましょう。皮膚用軟膏は殺菌作用に優れている分、肌に必要な常在菌も殺菌してしまう恐れがあるためです。

他にも、肌の炎症に有効なものがあります。それは「馬油」です。

馬油も保湿効果が高く、乾燥肌に悩む人の強い味方です。抗炎症作用もあると言われているので、炎症を起こしている肌には有効であると考えられます。

皮膚用軟膏使用法(3) 水溶き皮膚用軟膏で肌荒れ対策


皮膚用軟膏を使った美容法もあります。それは、「水溶き皮膚用軟膏」です。

「水溶き皮膚用軟膏」とは、その名の通り皮膚用軟膏を水に溶かして肌に塗布する美容法のことです。

皮膚用軟膏を水に溶かすと乳液のようになり、肌になじみやすくなると言われています。寝る前に水溶き皮膚用軟膏を肌になじませておくことで、翌朝には肌がしっとりモチモチになるのです。

水溶き皮膚用軟膏のつくり方の手順は、下記の通りです。

1.手のひらに硬貨サイズの量の皮膚用軟膏を取る
2.手に取った皮膚用軟膏に水もしくは精製水を数滴垂らし、混ぜる
3.肌に塗る

水溶き皮膚用軟膏を塗布するタイミングは、洗顔後もしくは化粧水の後が効果的だと言われています。肌に塗る前に手のひらで軽く温めておくと、より浸透しやすくなるという話もあります。

乾燥肌によるヒリつきや赤み、ニキビによる炎症が原因でいつものスキンケアができない時は、かわりに水溶き皮膚用軟膏で肌をケアするのもよいでしょう。

また皮膚用軟膏は軽いヤケドにも効果があることから、日焼け対策にも使えると言われています。日焼けした肌に水溶き皮膚用軟膏をぬることで、肌の赤みなど症状を抑える効果が期待できそうです。

皮膚用軟膏のみに頼らず、日常のスキンケアを見直しましょう

肌トラブルにおける皮膚用軟膏の活用方法を紹介してきましたが、あくまで応急処置です。乾燥肌を改善するには、普段のスキンケアを見直すことが必要です。

1.正しい洗顔方法を覚えよう
洗顔時、ゴシゴシと擦るように顔を洗うと肌は傷つき、乾燥しやすくなります。肌に刺激を与えないように、泡でなでるように優しく洗いましょう。

2.洗顔後の保湿をしっかりする
洗顔後はそのまま放置せず、すみやかに化粧水や乳液などで保湿ケアをしましょう。乾燥によって失われた肌のバリア機能も改善します。

3.角栓パックを多用しない
毛穴詰まりを改善するために角栓パックを多用すると、肌が傷つく、乾燥するなどのダメージを受けやすくなります。週1、2回程度のスペシャルケアにとどめましょう。

日々のスキンケアを丁寧に行いつつ、肌の状態に合わせて必要な時に、皮膚用軟膏を使用するのがベターであると言えるでしょう。場合によっては、専門の医療機関を受診して専門家の診察を受けるようにしましょう。

(まとめ)皮膚用軟膏を活用して乾燥肌を予防、改善しましょう

1.乾燥肌の応急処置として皮膚用軟膏を使う
2.肌が乾燥してヒリヒリする時は、皮膚用軟膏を薄く塗って炎症を抑える
3.「水溶き皮膚用軟膏」を使って、保湿しながら肌トラブルに対応する
4.乾燥肌を改善するには普段のスキンケアでしっかりと保湿することも大切

肌の乾燥が気になる時、上手に皮膚用軟膏を活用することで乾燥肌を予防することができます。

肌が乾燥してヒリヒリしたり、ニキビができたりしてしまうと、いつも使っている化粧水や美容液が使えない場合があります。

そんな時は皮膚用軟膏で応急処置をして、肌の状態が回復するのを待ちましょう。