ピル服用でホルモンバランスを調節することで、乾燥肌の改善が期待できます


皮膚科に通院してもよくならないニキビで悩んでいた知人が、ピル(低容量経口避妊薬)を服用して治ったと聞いて驚きました。避妊薬のピルで肌荒れが改善するのでしょうか?

ピルで肌荒れが改善したという話は、乾燥肌で悩んでいる女性たちの間でとくに話題になっているようです。更年期症状の緩和にもピルが用いられることから、40代を過ぎた女性たちも注目しているようです。

ピルはこれまでなら、避妊薬と考えるのが一般的でした。しかし実は、ピルには避妊だけでなく、生理痛や月経前症候群(PMS)の緩和、貧血の改善、乾燥肌やニキビなどの肌トラブルを改善する効用があるのです。

日本は、欧米に比べるとピルを服用する人はとても少なく、またピルの情報を詳しく知る機会が少なかったようです。それは、日本のピル導入が欧米より30年以上も遅れていたからともいわれています。

欧米の女性は10代のころから、生理痛の緩和、ニキビや肌荒れの予防のためにもピルを服用しているそうです。

乾燥肌や肌荒れの予防、改善には正しい洗顔と保湿ケアが何よりも大切です。なかなか改善されないという場合は、毎日のスキンケアにプラスして、ピルを服用するという方法もあります。

ピルと毎日のスキンケアで乾燥肌を改善

ピルを服用することに抵抗感を持っている女性は多いと思います。それは、ピルについて知らないことが多過ぎるからです。

ピルとは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類の女性ホルモンが含まれたお薬です。服用すると血中ホルモン、とくに黄体ホルモンが増加します。

黄体ホルモンが増加するのは通常、排卵後です。ピルを服用することで、すでに排卵後のホルモン状態、との情報が脳の視床下部に伝わることで、排卵が抑制されて避妊することができるのです。

ピルは1日1錠を毎日決まった時間に服用することでほぼ確実に避妊が可能とされています。服用をやめれば、その後、約14日で排卵が起こり、妊娠することも可能です。胎児への影響もありません。

ピルの種類と服用のしかた

世界中で使われているピルは、ホルモンの含有量が少ない低容量ピルです。日本は欧米に比べて30年も遅い1999年に解禁され、低容量ピルが使用できます。しかし市販薬ではないため、医師の処方箋が必要です。

処方されたピルは、通常4週間が1サイクルで1シートになっています。
服用のしかたは、生理の初日から毎日、なるべく同じ時間帯に1日1錠を服用します。それを3週間続けます。次に1週間は服用をお休みします。

この休んでいる間に出血することがありますが、この際の出血は、排卵をしていない無排卵月経です。

ピルの種類には21錠タイプと28錠タイプがあります。

・21錠タイプ
21錠すべてに有効成分が含まれています。21日間服用して、その後7日間お休みします。最後の錠剤を服用してから2〜4日後に生理があります。7日間のお休みが終わったら、新しいシートの服用を始めます。

・28錠タイプ
有効成分が含まれた21錠を服用した後に、続けて有効成分が含まれていない錠剤(プラセボ)を7日間服用します。この有効成分が含まれていない錠剤を服用している間に生理があります。

1シートの服用が終わったら、翌日から新しいシートの服用が始まります。

もしピルの服用を忘れてしまった場合について説明します。
服用がいつもの時間帯より半日程度遅れてしまった場合、すぐに服用すればピルの効果は途切れずに持続します。

服用がいつもの時間帯より24時間遅れてしまった場合、次の日に2錠服用します。

服用が2日以上空いてしまった場合はピルの効果は無くなってしまうので、飲みわすれてしまった日から数えて1週間お休みします。そして新たに服用を始めます。

28錠タイプはこうした飲み忘れがないように、毎日服用する習慣として、有効成分が含まれていない錠剤(プラセボ)を4~7日間服用するように考えられています。

ちなみに有効成分が含まれていない錠剤(プラセボ)の成分はしょ糖、乳糖やブドウ糖なので体への影響はほとんどありません。

ピルを服用できない人とは

ピルは通常、生理が始まった10代から服用することができます。
ピルは安全なお薬ですが、毎日服用することから、さまざまな条件によってピルを服用できない人もいます。

ピルを服用できない人の例

  • 35歳以上で1日15本以上喫煙をしている人
  • 骨成長が終わっていない若い人
  • 乳がん、子宮ガンなどの疑いがある、または診断がある人
  • ひどい偏頭痛のある人
  • 高血圧の人
  • 妊娠中、授乳中、産後6週間以内の人
  • 原因不明の出血がある人
  • 血栓症、血栓症のかかったことがある人
  • 高度の肥満

などが上げられます。

ピルを服用するメリット

生理の前になると女性ホルモンの黄体ホルモン(プロゲステロン)が上昇します。黄体ホルモンは皮脂の分泌を活性化させるため、お肌のトラブルを引き起こしやすくなります。

ピルを服用することで、黄体ホルモンの働きを抑えることができるため、ニキビや肌荒れ、乾燥肌などの肌トラブルの予防、改善する期待がもたれています。

またストレスや日々の疲れなどによって、男性ホルモンが増加することで女性ホルモンの代謝が邪魔されてしまうと、肌荒れを起こしてしまいます。

ストレスなどが原因の肌荒れは、ピルに含まれている卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を補うことで、健やかなお肌を取り戻すことができます。

ピルを服用することで女性ホルモンのバランスが整えられます。その他にもさまざまな女性特有の症状が緩和されます。
ピルを服用するメリットを具体的にあげていきましょう。

  • 避妊
  • 乾燥肌、肌荒れ、ニキビの改善
  • 生理痛や月経前症候群(PMS)の緩和
  • 月経周期が正しくなる
  • 月経量が少なくなる
  • 月経に伴うイライラなどの不快症状の緩和
  • 貧血の改善
  • 更年期症状の緩和
  • 骨粗しょう症の予防
  • 卵巣がん、子宮体がん、卵巣のう腫、良性乳腺腫瘍の予防

など多くのメリットが得られます。

ピルを服用するデメリット

ピルは安全なお薬ですが、ピルとその人の相性があるようです。ピルを服用して1〜2カ月は、一時的なマイナートラブルとして不正出血、吐き気、嘔吐、むくみ、頭痛、乳房の張りや痛みなどがあります。

これらの症状は、ピルの服用を続けていくうちに徐々に無くなっていきます。

しかし、つらくて我慢ができないといった場合は医師に相談しましょう。副作用を抑える薬もあります。またピルの種類を変えると症状が軽くなる場合もあるようです。

ピルによる重大な副作用は血栓症です。血栓症は、血管の中に血の固まりができてしまい血液の流れに栓をしてしまう病気です。

ピルによる血栓症は、ふくらはぎを流れる静脈に発症することが多いといわれています。血栓症を発症すると、ふくらはぎや太ももが腫れて、痛みをともないます。

低容量ピルで血栓症を発症するのは、ごくまれなことといわれています。しかし肥満の人、40歳代後半の人、1日15本以上喫煙する人は血栓症のリスクが高いとされています。

ピルを処方してもらう病院選びのポイント

低容量ピルは医師の処方箋がないと、薬局に行っても買うことができません。産婦人科以外の病院やクリニックでも処方してもらえますが、実際には産婦人科以外で処方している医師は、ほどんといないそうです。

病院やクリニックを選ぶ際のポイントをあげてみましょう。

1.受診前に一度、ピルを処方してもらえるかを事前に確認しておきましょう。
産婦人科でもピルを扱っていない場合があります。

2.ピルについて詳しい医師がいる病院を選びましょう。

自分の症状に合うピルを処方してもらうためにも、ホームページなどを検索してピルについて実績のある病院を探しましょう。
また処方件数が多いほど、トラブルが起きた際も迅速に対応してくれるでしょう。

3.病院は自宅や勤務先から通院しやすい距離、場所を選びましょう。1度受診すればおしまい、ではありません。年に数回通院する必要があるので、遠い不便なところにある病院は避けたほうがよいでしょう。

乾燥肌を予防、改善するスキンケア


乾燥肌や肌荒れなど肌トラブルは、毎日のスキンケアが基本です。ピルの服用と同時に、外側からのアプローチも行っていきましょう。
正しいスキンケアの手順を紹介します。

1.クレンジングはお肌に刺激の少ないクリームタイプのクレンジング剤を使いましょう。クレンジングをする際は、適量を手に取って体温で温めてから顔に載せます。

指をクルクルとお肌の上で回しながらメイクとなじませていきます。ぬるま湯でしっかりと流します。お肌をこすらずにお湯を当てるように優しくすすぎましょう。

2.洗顔は、どんなタイプの洗顔料でもたっぷりと泡を立てることが大切です。濃密なモコモコの泡をお肌に載せて、泡をすべらせるように丁寧に洗っていきます。

ぬるま湯を使ってしっかりと泡を流します。熱いお湯は、お肌に必要な皮脂を流ししまい、さらに乾燥を悪化させてしまいます。洗顔後は清潔な柔らかいタオルで水分を優しく拭き取ってください。

3.洗顔後はすぐに保湿ケアを行いましょう。化粧水、美容液、乳液、クリームの順につけていきます。

乾燥肌をカバーするセラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸など保湿成分が配合された化粧品を使うとより健康的なお肌へと近づくことができるでしょう。

(まとめ)ピルの服用でお肌がキレイになる

1.ピルの種類と服用のしかた
2.ピルを服用できない人とは
3.ピルを服用するメリット
4.ピルを服用するデメリット
5.ピルを処方してもらう病院選びのポイント

ピルは避妊のためだけのお薬ではありません。女性特有のホルモンバランスの崩れから生じる肌トラブルやイライラなどの気分症状、生理痛や頭痛、更年期症状などを緩和することができます。

ピルを処方してもらうためには、まず産婦人科を受診します。その際、しっかりとピルの知識がある医師、また女性の悩みに真剣に向き合ってくれる医師を選ぶことが大切です。

ピルを上手に使うことで、毎日の生活がもっと快適になることでしょう。