サウナでの発汗が、直接、毛穴の詰まりを解消するわけではありません


サウナはスーパー銭湯や温泉などでよく見かけます。
十分に暖められた、暑い部屋に入って、汗を流しながら自分の限界に挑戦するかのように、ひたすら砂時計の砂が落ちきるのをじっと待つ…

想像しただけでも、サウナに入りたくなってしまいますね。
最近では、ドライサウナ・ミストサウナ・塩を揉みこむ塩サウナ・アロマの香りでリラックス効果をうたうアロマサウナなど種類も豊富です。

現代人は多忙でストレス過多ですが、運動で汗をかく時間がなかなかとれません。
そのためサウナは、「ストレスを発散できる」「お風呂に入るような感覚で気軽に、気持ちよく汗をかける」と、人気を集めています。

またサウナは汗と一緒に、毛穴の詰まりを解消してくれるというイメージがあるため、美容にも効果が期待できるとして、女性の支持を集めています。

しかし発汗と毛穴の関係について多くの人が誤解していることがあります。

それは、サウナで出る汗と一緒に、毛穴の詰まりが流れ出るわけではない、ということです。驚かれた方も多いのではないでしょうか。

そんな方のために、サウナの発汗作用と毛穴について、詳しく説明していきましょう。

サウナで発汗する穴と、皮脂が詰まる毛穴とは別です


サウナは、美容効果や健康増進、ストレス発散など人それぞれの目的で多くの人に愛用されています。サウナでかく汗の量は多いので、入ったあとは気分爽快になりますね。

もちろん、玉のように噴き出して、ぽたぽたと流れ出る汗を見れば、「汗と一緒に老廃物や毛穴の汚れが流れ出ている」といった気持ちになるのもムリはありません。

しかし残念なことに、サウナで熱くなり過ぎた体温を調節しようと出てくる汗の穴と、美容の世界で用いられる「毛穴」が詰まる「毛穴の開き」といった言葉の毛穴とは、まったく別の穴なのです。

「汗が出る穴って何?」「鏡を見て気になる毛穴って何?」「サウナに入っても、毛穴の詰まりには効果がないの?」などと次々と質問が出そうなので、まず、汗腺について話をしていきたいと思います。

汗腺って何?

汗腺は、人間の体になくてはならない器官です。汗腺にはどのような役割があるのでしょうか。ここではまず、汗腺についての基礎知識を確認しておきましょう。

1.サウナでかく汗は、汗腺から分泌されている
汗腺とは、皮膚の真皮深層から皮下組織に埋まっていて、汗と作り出し、汗を分泌するための器官の役割を担っている腺のことを言います。

人間には汗腺が約300~400万個あると言われています。その中で、個人差はありますが、発汗機能を持つ汗腺が多く集まっている場所は、額・足の底・手のひら・手の甲などです。

普段の生活で靴がやけに蒸れたり、サウナに入ると額から汗のしずくが垂れてきたりすることから考えても、汗腺の密集している部分は想像しやすいでしょう。

汗腺には、いくつもの重要な役割があり、まず、体温調節機能や塩分排泄補助機能を果たします。
汗の蒸発時に気化熱を放出することで体を冷やしたり、汗と一緒に過度な塩分を排出したりする機能です。

また汗腺からでる水分などは、皮膚表面を湿り気のある状態に保つ役割も果たします。
汗腺には保湿成分でもある尿素や乳酸も含まれているため、適度なしっとり感を作り出してくれるのです。

そのほか、汗腺には幹細胞の保管倉庫といった役割もあります。汗腺は分泌物を使って、私たちの体にさまざまな作用をもたらしてくれる重要な器官です。

2.汗腺には2種類がある
汗腺には、小汗腺と呼ばれるエクリン汗腺と大汗腺と呼ばれるアポクリン汗腺の2種類があります。
エクリン汗腺は、一般的に言う「汗」を分泌しています。その成分は、99%以上が酸性の水分です。

エクリン汗腺が分泌する汗は、体温調節の働きをしています。
エクリン汗腺が多く分布するのは、顔・手足です。しかし汗が体のあちこちから分泌されることでもわかるように、口唇などを除きほぼ全身に分布しています。

エクリン汗腺の発汗作用は、夏の暑い時や激しい運動時の発汗、恐怖や過度なストレスを感じたときにでる冷や汗、唐辛子入りの辛い食べ物を食べたときにでる汗などをイメージするとよいでしょう。

一方でアポクリン汗腺は、耳の後ろや脇の下などに分布しています。分泌される汗の成分は、アルカリ性です。水分は少なく脂肪・尿素・アンモニアといった成分が多く含まれており、体温調節機能とは無関係です。

アポクリン汗腺から出る汗は、いわゆる毛と結びついており、私たちが言う「毛穴」から排出されます。つまりアポクリン汗腺と結びついた毛穴からは、皮脂が分泌されるというわけです。

3.毛穴から分泌された適量の皮脂は天然保湿クリーム
私たちの毛穴からは、アポクリン汗腺から分泌された皮脂が排出されています。皮脂には、乾燥、ほこりや細菌といった外部からやってくる敵から肌を保護してくれる役割があります。

健康な素肌は毛穴の皮脂量が適量にコントロールできているため、スキンケアをしなくても天然保湿クリームを塗ったような状態でいることができます。

しかしこの皮脂コントロールがさまざまな原因で制御不能になったとき、毛穴には過剰に分泌された皮脂が大量に詰まり、ニキビなどの吹き出物・くすみ・シワ・シミといった肌トラブルを引き起こしてしまうのです。

毛穴の詰まりにも、サウナは間接的に効果あり


サウナに入ると、エクリン汗腺から体温調節のため大量に、水分を中心とした汗がでます。
でも毛穴が結びついているのは、天然保湿クリームになる皮脂などを分泌するアポクリン汗腺です。

アポクリン汗腺に体温調節機能はありませんので、サウナに入っても体温調節のために発汗することはありません。つまり発汗と毛穴の開きとは相関関係がないのです。

そうなるとサウナでは毛穴の詰まりに効果がないという結論に至ることになります。

でも本当にそうなのでしょうか?

1.サウナによって新陳代謝機能が向上
サウナに入ったとき、私たちの顔は毛細血管が開き、血流がよくなるため赤くなります。また手足の抹消まで血液が行き渡るので、指先や足先まで体全体がぽっかぽかに温まります。

これは、サウナによって体全身が温められることで血行が促進され、全身の機能が活発に動いていることを示しています。もちろん肌も例外ではありません。

肌にも新鮮な血液がどんどん流れ込んでいきます。肌の内部では血行促進されたことで、新陳代謝機能が大幅にアップします。
新陳代謝とは、古くなった細胞が、新しい細胞へと作り替えられることを言います。

私たちの体では毎日、新陳代謝が行われています。爪や髪の毛が生え変わるのも、発汗や排泄といったものも、すべては新陳代謝によるものであり、それなくして私たちの体は生きていくことはできないのです。

2.新陳代謝がよくなりターンオーバーが正常化、毛穴の詰まりにも効果が期待
新陳代謝は、肌の再生に大きな影響を及ぼします。
新陳代謝は、基底細胞が角質層への移行が進むことで、古い角質や表皮ははがれ落とす力を持っているからです。

角質がはがれるのと同時に、毛穴に詰まった角栓や皮脂汚れも落とされます。その結果として毛穴の詰まりが解消され、毛穴自体も小さくなっていきます。

ターンオーバーとは、肌を再生させるための約28日間の周期のことですが、新陳代謝によって古い角質がはがれ落ち、ターンオーバーの周期が正常化することで、保湿力を蓄えた美しい肌を作り出せるのです。

3.サウナ利用の注意点
血行促進、新陳代謝機能の向上、ターンオーバーの正常化による毛穴の詰まり解消など、よいことだらけのサウナですが、利用時に注意しなければならないこともあります。

サウナに入ると、大量の汗をかきます。そのため発汗に備えて水分補給が欠かせません。
大量の汗をかくことによる満足感から、うっかり水分補給を忘れてしまいがちですが、脱水症状は命にかかわることもあります。

美容の観点からいえば、体内の水分が不足してしまうことは、肌の水分量にも悪影響を与えてしまいます。

サウナ後だけでなく、サウナに入る前やサウナ中にもこまめに水分を補給しましょう。

それからサウナに入る前には全身をよく洗い、毛穴を清潔な状態にしておきましょう。出口に汚れが詰まっていては、汗や老廃物を効率よく排出できません。

エチケットでもあるので、サウナ前の全身洗浄は忘れないようにしたいですね。

また飲酒後のサウナは危険です。絶対に控えてください。満腹時にサウナに入ることも、体に過度の負担をかけます。

食後は食べたものを消化するために、胃腸などの消化器官に血液が集まります。
サウナで血液が全身に分散されてしまうと、消化機能が低下するだけでなく、体調不良の引き金にもなってしまうからです。

サウナを正しく利用して、サウナのメリットを上手に享受してください。

新陳代謝を促し、肌のターンオーバーを正常化する正しいサウナの入り方

新陳代謝を促して毛穴の詰まりを解消するために、ここで正しいサウナの入り方をご紹介しましょう。ほとんどのサウナの横に水風呂が併設されていることからもわかるように、サウナの基本は「温冷交代浴」にあります。

「サウナ→水風呂→休憩」を繰り返しながら、自律神経を活発化させたり、皮膚を引き締めたりしていきます。個人差もありますが10~15分程度の間を目安として、ムリのない範囲で交代浴を楽しみましょう。

「水風呂が苦手」という人は、70度前後の低温サウナに15~20分入ったあとで、手おけで足だけに数回水をかけたあと、全身の汗をよく拭き取り、20分くらい休憩をとる低温浴もおすすめです。

低温サウナがない場合には、繰り返し浴も効果的です。
繰り返し浴とは、90度くらいの高温サウナに10~15分程度入ったあと、汗をよく拭きとってから休憩をとり、再び高温サウナに入る方法です。

このとき、サウナに入る時間を2~3分程度ずつ短縮しながら、3~4回繰り返し入ることがポイントです。

長時間耐えられない人は、シャワーを浴びて90度の高温サウナに8分程度入る短時間高温浴もあります。

(まとめ) サウナで新陳代謝を促して、詰まり毛穴も健康に!

1.サウナで出る汗は、詰まった毛穴とは無関係
2.サウナで新陳代謝を促せば、肌のターンオーバーが正常化する
3.サウナを賢く利用して、毛穴の詰まりを改善させましょう

毛穴の詰まりは、サウナで出る汗と一緒に流れ出ることはありません。
しかしサウナで体を温めることで、毛細血管にいたるまで体全体の血流がアップし、新陳代謝を促します。

新陳代謝により肌のターンオーバーが正常化されれば、次々と新しい肌が再生されます。毛穴の詰まりも改善し、理想の美肌に近づけることでしょう。

さっそく今晩サウナに出かけて、毛穴ケアにトライしてみませんか?