毛穴トラブルを引き起こす角栓は毛穴を守る役割も果たしています。


ふと鏡を見ると、小鼻の周りや鼻のアタマに、黒いボツボツとした汚れた毛穴を発見して驚くことがあります。気づいた時には毛穴の黒ずみは数えられないほどに増えているという経験がある人も多いはずです。

黒いボツボツを何とかしようと、指やピンセットで毛穴から無理やり引き抜く、はがすタイプの毛穴パックを何度も行うなど早急に対処しても、またすぐに毛穴は汚れが詰まってしまうものです。

毛穴に詰まるその黒いボツボツは、「角栓」というものです。一度、取り除いても必ずまた出てくるのですが、健康なお肌なら自然にはがれ落ちていきます。

しかし角栓は、無理やり指で押し出すこと、クレンジング不足などの間違ったケア、皮脂の過剰分泌などのさまざまな原因によって自然にはがれ落ちることができず、やがて毛穴トラブルを引き起こしてしまうのです。

角栓が毛穴に詰まると、毛穴トラブルだけでなくニキビの原因にもなる角栓ですが、実はデメリットばかりではないのです。角栓は外部の細菌やウイルスなどから毛穴を守る重要な役割を果たしているのです。

角栓と上手につきあうことで、健康で美しいお肌を取り戻せます。今回は角栓について説明していきましょう。

上手な対処法で毛穴が目立たない美肌を目指す


ファンデーションでも隠し切れない毛穴の黒いボツボツの正体は、角栓です。角栓は毛穴の中で皮脂や古い角質などが混ざり合ってできたものです。

毛穴の奥には皮脂を分泌する皮脂腺があります。皮脂は皮膚の表面に薄く広がっており、肌を外部の刺激から守る働きをしています。さらに、皮脂と汗が混ざって皮脂膜となってお肌の水分の蒸発を防いでいます。

また、お肌には常在菌という善玉菌が存在しています。常在菌は皮脂をエネルギー源として増えていきますが、分解する際にお肌の表面で弱酸性となり、病原菌の繁殖を防いでいるのです。

お肌のテカリやベタつき、メイク崩れなど何かと嫌われる皮脂ですが、お肌を健康に保つためのさまざまな働きをしているのです。

次に、角栓をつくるもう一つの材料となる角質について説明していきましょう。

角栓の7割は角質からできています

毛穴を目立たせている角栓は、皮脂と角質が混ざり合ったものです。しかしお肌の大敵といわれる角栓のイメージは、毛穴から出てくる皮脂が固まったものと思われがちです。

しかし角栓の成分のうち、皮脂はたったの3割しかありません。残りの7割はタンパク質が材料なのです。このタンパク質の正体こそが、古い角質です。

角質は、皮膚の新陳代謝といわれるターンオーバーによって生まれます。

肌の一番外側である表皮は「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4層からなっています。

一番奥の基底層でつくられた細胞が徐々に上へと押し上げられていきます。もっとも表面の角質層に到達した皮膚は、死んだ細胞、いわゆる垢となってはがれ落ちていきます。これが角質です。

角質は、外部からの細菌の侵入を防ぎ、また水分の蒸発を防いで皮膚を守るバリア機能の役割を果たします。その役目を終えると、自然にはがれ落ちて、再び新しい角質に生まれ変わります。

角栓の材料となる角質と皮質は、健康なお肌を維持するための重要な役割を持っているのです。

ターンオーバーと角栓の関係

身体のさまざまな臓器は、古いものから新しいものへと入れ替わる新陳代謝を繰り返しています。新陳代謝は人が生きていくためには不可欠なもので、お肌も同じように新陳代謝を繰り返しています。

お肌の新陳代謝は、古い細胞が表層に押し上げられ角質となり、時間が経過すると垢となってはがれ落ちます。この一連をターンオーバーとも呼ばれています。

このお肌の新陳代謝といわれるターンオーバーの周期は約28日が理想的とされています。

しかし、さまざまな理由によってターンオーバーのサイクルが乱れてしまうと、本来はがれ落ちるはずの古い角質がお肌に残り、皮脂と混ざり合い角栓となって毛穴トラブルを引き起こしてしまうのです。

お肌の新陳代謝、ターンオーバーのサイクルが乱れる原因とは

ターンオーバーのサイクルが遅れたり、早まったりするとこで、毛穴に角栓ができやすくなります。どうしてターンオーバーは乱れてしまうのでしょうか。

1.加齢
ターンオーバーの1サイクルは28日が理想的とされています。しかし年齢を重ねていくと細胞の働きが衰え、その結果、古い角質がはがれにくくなりにサイクルが遅くなります。

年代別ターンオーバーの目安です。
・10代が約20日
・20代が約28日
・30代が約40日
・40代が約55日
・50代が約75日
・60代が約90日

年齢を重ねるごとにシミが残りやすく、傷などが治りにくくなるのはターンオーバーの周期が遅くなるためなのです。

2.メイク汚れ
ファンデーションやメイクの下地がお肌に残っていると、角質ははがれ落ちることができなくなります。クレンジングをしっかり行い、その日のメイクを落とし切ることが大切です。

3.過剰な洗顔
角栓を取り除くために何度も洗顔をするのは良くありません。洗顔のし過ぎでお肌に必要な皮脂までも落としてしまうと、乾燥から守ろうとして新しい角質をすぐにも作り出すため、ターンオーバーが早まります。

4.乾燥肌
乾燥したお肌は、角質がはがれにくくなるため、ターンオーバーが遅れてしまいます。洗顔後の保湿ケアを念入りに行い、乾燥からお肌を守ることでターンオーバーの乱れを予防しましょう。

5.睡眠不足
ターンオーバーが活発に行われるのは睡眠中といわれています。また美肌をつくる成長ホルモンが大量に分泌するのも睡眠中です。質の良い十分な睡眠が取れていないとターンオーバーが遅くなります。

6.ストレス
仕事、人間関係や環境の変化などによる過度のストレスによって自律神経が乱れてしまうと、ターンオーバーの乱れる原因にもつながります。

7.紫外線
繰り返し紫外線を浴びたお肌は、肌細胞がダメージを受けており、そこから回復する作用でターンオーバーが乱れてしまいます。日頃から日焼け止めを塗るなどして紫外線対策をしておくことが大切です。

このようにターンオーバーのサイクルはさまざまな原因で乱れてしまいます。ターンオーバーが正常に機能しなくなると、角質が自然にはがれ落ちにくい状態となり、毛穴の中で角栓をつくってしまいます。

健康で美しいお肌を目指すためには、お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーの周期を整えることです。

すでにできてしまった角栓をそのまま放置していては、ますます毛穴トラブルが悪化します。角栓の対処法を説明していきましょう。

角栓の対処法


毛穴に詰まった角栓をそのままにしておくと、ニキビの原因になります。また毛穴から出ている部分が空気に触れ酸化すると、黒くなり、ブツブツ毛穴になってしまいます。放置せずにしっかりと対処しましょう。

できてしまった角栓を除去する方法は、正しい洗顔をしっかり行うことです。メイクをしている人は、自分のお肌に合ったクレンジング剤で、その日の汚れはその日のうちに、しっかりと落とします。

クレンジング後は、洗顔をします。正しい洗顔方法のポイントは、たっぷりの泡で優しく丁寧に洗うことです。泡立てが苦手な人は、泡立て用のネットを使っても良いでしょう。

手のひらを逆さにしても落ちないくらいきめ細かいたっぷりの泡ができたら、お肌の上で滑らせるように洗っていきます。ゴシゴシこすらずに、泡に汚れを吸着させるイメージで行いましょう。

洗い流す時はぬるま湯で、すすぎ残しがないようにしっかりと流しましょう。

また洗顔前に、ホットタオルやスチーマーなどを使ってお肌を温めておくと、毛穴がしっかり開いて汚れが落ちやすくなります。時間に余裕がある時にぜひ試してみてください。

洗顔後はすぐに保湿ケアを行いましょう。たっぷりの化粧水で水分を十分に与えたら、保水力のある美容液でお肌を整えます。次に乳液やクリームで適度な油分を補って潤いあるお肌を保ちましょう。

正しい洗顔、クレンジングを基本に、角質除去ができる炭酸パックやクレイ洗顔などをスペシャルケアとして週1回程度、取り入れてみるのも良いでしょう。

角栓ケアのNGお手入れ

角栓を落としたいがために、お肌をゴシゴシ力強く洗ったり、洗顔や毛穴パックを何度も行ったりするのは良くありません。角栓を除去する際にやってはいけないNGお手入れをチェックしましょう。

1.ピンセットや指で角栓を無理やり押し出してつまみ出す
毛穴から顔を出している角栓をピンセットでつまみ出したり、毛穴を強く指で押して無理やり引き抜いたりすると、皮膚が傷つき炎症を起こしてしまう可能があります。

炎症した皮膚はニキビを発症させる原因です。ニキビから毛穴のシミやクレーターへと悪化することもあります。

2.貼ってはがすタイプの毛穴パックを頻繁に使用する
貼ってはがすタイプの毛穴パックは、強い粘着力で皮膚表面の細胞をはがしてしまうため、毛穴だけでなく周囲の皮膚にまでダメージを与えてしまいます。

3.1日3回以上の過度な洗顔
お肌の汚れが気になるからと日に何度も洗顔を繰り返していると、皮膚に必要な皮脂までも洗い流してしまいます。乾燥するとお肌は皮脂を過剰に分泌するため、毛穴がより広がることになります。

また過度の洗顔で、皮膚の常在細菌によって弱酸性に保たれているはずのpHバランスが崩れてしまい、お肌トラブルを招きます。

(まとめ)角栓の役割を知って美肌を目指す

1.角栓の7割は角質からできている
2.ターンオーバーと角栓の関係
3.お肌の新陳代謝、ターンオーバーのサイクルが乱れる原因とは
4.角栓の対処法

毛穴の黒いボツボツはとても気になります。しかし、無理やり引き抜く、ゴシゴシと洗顔するなどという間違ったお手入れで、角栓はさらに悪化してしまいます。

角栓は日々の正しい洗顔、クレンジングによって徐々に除去されていきます。また生活習慣を見直すことで、お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーの周期が整い美肌へと近づけるでしょう。